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特定非営利活動法人がんサポートコミュニティーは、がん患者さんとそのご家族のために専門家による心理社会的なサポートを提供するNPOです。

TEL. 03-6809-1825

105-0001 東京都港区虎ノ門3丁目10-4
虎ノ門ガーデン
214号室

活動方針CONCEPT

創設者・竹中文良博士からのメッセージ

がんになったことは“不運”ではあったけれども、
決して“不幸”なことではなかった。
 
がんは人を変える。消化器外科医だった私が1986年に大腸がんになり、現代医療に欠けているものを感じ始めた。それまでは、がん患者にとって最も大切なことは医学的な診断と治療であると考えていた。その後、日本赤十字看護大学に転職し、がん患者の心理社会的サポートの研究に取り組み、2000年に渡米、米国最大のがん患者支援組織The Wellness Community(現在のCancer Support Community)の研修を受けた。がん患者にとって治療の苦しみや再発の不安、死の恐怖に向き合うには家族や友人の支え以外にも、同じ病と向き合う仲間たちとの交流を通じて希望を得て、回復の可能性を高めていくことが重要だと気付いた。そして、そこでは、がん患者が金銭的な負担をせず、コミュニティーの善意の個人や企業からの寄付によって活動が支えられていた。研修を受けるにつれ、私は日本にもがん患者をコミュニティーで支援する組織が必要だとの思いを強くした。

活動方針

私たちがんサポートコミュニティーは、以下の2つの理由から心理社会的サポートを提供しています。

生活の質(QOL: Quality of Life)を向上するため
50
年前、がんの診断は残りの人生が短いことを意味し、精神的なサポートは末期症状への配慮のみがなされてきました。それが今日では医学の発達によって早期発見や早期治療が可能となり、より多くのがん患者さんが回復し、またがんが慢性疾患の一つとして長期間にわたり付き合っていくものとなりました。このように長期間にわたり付き合っていくものとなったことから、がん患者さん自身やそのご家族がより良い状態であるために心理社会的なサポートが必要となってきています。

回復の可能性を高めるため
心理社会的なサポートは免疫力を高める可能性があるだけでなく、病気が改善するのに影響する可能性も実際の研究により示されています。

どんなにたくさんのがん細胞を作り出し、どんな環境にいても、どんな行動をしても、がんにならないこともあります。また、たとえ健康的にしていても、がん化してしまうこともあります。これは医学が解明しようと研究している大きなテーマです。

がんと診断された後でさえ免疫系の働きを強くし、がんを消滅させたり縮小させたりすることもあります。
精神神経免疫学(Psychoneuroimmunology:PNI)の研究では、楽しい感情は免疫系の働きを強くし、長期間あるいは持続する辛い感情は、免疫系の働きを弱めるとしています。しかし、どんな感情もそれ自身が“悪い”とか“間違っている”というのではなく、むしろ、近年の研究では、がん患者さんが抱える心理社会的な問題として、(1) 無用の孤立、(2) 主体性の喪失、(3) 絶望についてくるそういった感情が、免疫系に消極的な影響をもたらす可能性を示唆しています。

がん患者さんが抱える心理社会的な問題

私たちは、これらの3つの心理社会的な問題に対して、プログラムを考えています。

無用の孤立
がん患者さんとご家族が“無用の孤立”から逃れるために、がん患者さん同志やご家族同士が落ち着いた雰囲気のなかで共通する経験や関心事、希望を語り合える、要するに他のがん患者さんやご家族と“拡大家族”をつくれるプログラムや機会を私たちは提供しています。私たちの主な目的は、“無用の孤立”を感じさせないために拡大家族をつくることです。


主体性の喪失
がん患者さんとご家族が身体的状況が許す限り、主体性を持って回復するように促します。私たちは、がんに対してなすがままになっているしかないような人が主体性を取り戻すための方法を紹介しています。

絶望
絶望感に関しては、回復したがん患者さんや回復のために闘っているがん患者さん、回復のプロセスにあると思われるがん患者さんと語り合い、触れ合うことで、回復を望み、回復の可能性を信じられるようになっていただくための機会を設けています。がん患者さんは、私たちがんサポートコミュニティーで、すでにがんが過去のことになった人がたくさんいるということを学んでいます。

私たちは、がん患者さんが“
アクティブな患者(Patient Active)”となることを目指し、前述した心理社会的な問題を克服するためのプログラムを“治療的コミュニティー(Therapeutic Community)”において提供します。

江戸時代の俳人・滝瓢水は「浜までは海女も蓑着る時雨かな」という俳句を詠んでいます。これから海に入って濡れに行くのに、海までの間を濡れないように蓑を着ると言う行為は、普通に考えればナンセンスかもしれません。しかし、どんな状況にあっても、自らの身体をいたわることはこの世に生を受けた私たちに課せられた使命であり、そうした尊厳ある生の延長線上に尊厳ある死が存在すると創設者・竹中文良博士は生前に語られておりました。(下写真は、創設者・竹中文良博士の話に感銘を受けられたがんサバイバーであり、書道家である石田帰山先生の書で、事務所にご寄贈いただきました。)



精神神経免疫学(PNI)とストレスとがん

精神的苦痛とは、精神的(認識、行動、情緒)に不愉快な経験や心理社会的にがん患者さんの有効な治療を阻むものです。苦痛が継続することにより、憂うつや不安、パニック、社会的孤立、精神的危機といった問題が生じる恐れがあります。すべてのがん患者さんは少なからずこうした苦痛を経験しています。

多くの調査研究では、愛する者を失ったり、仕事をなくすというストレスの多い生活は健康に影響を及ぼし、特に心臓病や糖尿病、高血圧といった問題を増やすとしています。がんも同様にそうしたストレスから招かれる病気であると思っている人もいます。しかし、その根拠は明らかになっていないので、がんの発病や経過は患者さんのせいではないと心に留めておくことです。この誤解を明らかにするために、私たちはどのようにがんが発症するのかを理解する必要があります。

多くの腫瘍学者や腫瘍専門医は、がんが発症するのに一般的に次の
2つの状況が患者さんの身体内で同時に起こっていると考えています。

≪状況1≫がん細胞が出現する。
≪状況2≫身体の免疫系ががん細胞を壊せないほど弱っている。


しかし、これらの状況には次の
2つの疑問が生じます。

≪疑問1≫何が原因でがん細胞が出現するのか?
≪疑問2≫どのような要因が免疫系の強さを決めるのか?


こうした疑問に答えるために、私たちはまずがん細胞と免疫系の強さについて次の
3つの要素を知る必要があります。

≪要素1≫遺伝子
私たちの身体内に存在する遺伝子は、私たちが生きていくために必要なマスターデータであり、そのデータを次々に新しい細胞へコピーしています。しかし、老朽化したコピー機にミスコピーが増えるように、私たちの遺伝子も年齢を重ねるとミスコピーを起こす可能性が高くなります。また、それは免疫系の強さやがん細胞の数により影響を受けると考えられています。しかし、私たちは自分の意思によってこれをコントロールすることはできません。

≪要素2≫環境
環境は、私たちが呼吸している空気、生きていくために食べている物や飲んでいる物、喫煙者であれば煙草といったようなものが含まれ、一般に私たちが生きていく上で切り離すことができないものすべてを指します。私たちがたとえ用心して生活しても、こういったものをコントロールするには限度があります。煙草の煙やアスベスト、食べ物など“発がん物質”といわれるものすべてががん細胞を増殖させる要因となりうると多くの腫瘍学者や腫瘍専門医は確信しています。こうした環境ががんの発症を高くする可能性はありますが、環境が個人の免疫系の強さに影響するという証拠はありません。

≪要素3≫ふるまい
ふるまいとは、私たちが生活を送り、生きていく上で起こる出来事に対応する行動や感情のことです。免疫系の強さは病状の経過に影響し、ふるまいは免疫系の強さに影響する可能性があります。そして、私たちはふるまいをコントロールすることによって、病状の経過もコントロールできるかもしれないという可能性があります。


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